Engineer & Staff interview - エンジニア&スタッフインタビュー

九州・福岡出身のK.T.さんは、Uターン転職を実現しました。また、通信インフラ関係から一般ユーザー向けのWEBシステム構築へと業務が移る中、ITエンジニアとして大きく成長することができました。その際のキーワードは「当事者意識」だったそうです。どのようなことを経験されて学んだのか、具体的なお話を伺いました。

SI 事業本部 西日本事業部 九州支社SE K.T.さん SI 事業本部 西日本事業部 九州支社SE K.T.さんSI 事業本部 西日本事業部 九州支社SE K.T.さん

1989年12月、福岡県生まれ。中学・高校・大学と福岡で過ごし、大学は文学部で英米文学を専攻。就職は通信系エンジニア関係に進む。パートナーに転職し、生まれ故郷である福岡へのUターンに成功。直近のプロジェクトではITエンジニアとして業界最大手の飲食店舗の検索・予約サイトの開発チームに参画。今後の目標は、後輩の育成。

01.九州にUターンしてITエンジニアに!

地元出身の人材を
活用する戦略に共感

地元出身の人材を活用する戦略に共感

―― 最初に、パートナーに入社するまで、どのようなキャリアを過ごされたのか、お聞かせください。

平成元年の1989年12月、福岡県北九州市で生まれました。生粋の福岡生まれの福岡育ちです。大学は地元の文科系の4年制大学に進み、文学部で英米文学を専攻しました。文学部でしたが、パソコンを扱う授業があり、非常に楽しく感じました。振り返るとこの時の経験が、後にITエンジニアとなるきっかけであったと思います。実は、後に結婚する妻とも、大学のグループワーク(同級生)で出会いました。

就職する際には特に分野を絞らずに、地元の企業で自分ができそうな仕事、続けられそうな仕事を選んでいく中、最初はシステム開発ではなく、携帯電話などの通信を扱うA社へと就職しました。主な仕事は、携帯電話に電波を飛ばす基地局の保守業務。電波測定を行い、そのデータをキャリアに提出するといった内容です。地元でしたし、仕事の内容も非常に楽しかったのですが、3年目に九州から大阪に転勤することになりました。

―― 地元、福岡から離れることになったのですね。

大阪では1年間仕事をしました。プログラミングの勉強をしながらも、地元に戻りたいと希望は出していましたが、もう会社として福岡での仕事はなくなり、Uターンは難しいと言われました。地元で働き続けたいと思っていた自分としては、ここは転職しかないと決意。そこでエージェントに登録をして、Uターン転職として、プログラムにも触れながら小倉で仕事ができるというB社へと移りました。

しかし、その仕事も半年で契約がなくなり、九州での事業を撤退することに。働く場所も名古屋を打診される始末で、ますます地元から遠のく状況でした。ITエンジニアとしての一歩は踏み出せたものの、Uターン転職は不成功だったのです。そうした時、当時、九州支社を開拓しようとしていたパートナーからチームごと転職しないかという誘いがありました。それなら福岡で仕事ができると転職を決めました。

―― 地元・福岡で働きたかったK.T. さんにとって大きかったですね。

その通りです。Uターンできることと同時に、それまでの会社と比べ、パートナーという会社に大きな興味・関心を持ちました。給料などの待遇面が他社よりも良かったことや、社員数など会社の規模感や福利厚生面など、全体的に見て良かった。加えて、提示された案件の内容が非常に魅力的でした。

かつB社で上司だったNさんが、パートナーに一緒に行こうと誘ってくれたことが大きかった。Nさんは今の九州支社長ですが、私のことをとても理解してくれてる方でしたので心強かったです。それと、転職を決める前、パートナーの経営者と話す機会があったのですが、九州に在住する人をトップに据え、地元出身や九州に愛着を持っている人材を登用し、支社を活性化していきたいという戦略にとても好印象を持ちました。

―― 地元の人材で、事業を創っていくという考えに共感したわけですね。

当時、パートナーには九州支社がまだありませんでしたが、これから作っていく点にわくわくさせてもらいました。 私自身、福岡で生まれ、大学も地元。また、一人っ子で、親のためにも働く場所は地元がいいと思っていましたし、周囲の友人・知人にもそういう人は結構います。九州は特にUターン就職を志向する人が多い。その点からも、パートナーの九州支社設立に向けての戦略、人材活用のあり方は、私のモチベーションに大きく影響しました。

―― なるほど。パートナーは人のモチベーションを大切にしている会社ですね。

九州支社も地元の人間が多いせいか、皆の仲が良く、和気あいあいです。それはメンバーだけでなく、上層部にいる人たちも同じ。当然、職場の雰囲気や環境はチームワークや報連相の面でも大きく影響しますし、上下左右の組織の壁がなく、非常に働きやすく、かつ、やりがいのある風土だと思います。

02.ITエンジニアとしての取り組み

信頼する先輩社員が
紹介してくれる案件を、
しっかりやりたい

信頼する先輩社員が紹介してくれる案件を、しっかりやりたい

―― ITエンジニアの仕事について、どのようなお考えをお持ちですか。

A社では通信系の仕事でしたが、プログラミング言語を使ってシステムを組むなど、ITエンジニアに関係する業務を行っていく中で、「これは楽しい!」と感じ、自分に向いているのではないのかと考えるようになりました。そこで、次の転職先ではぜひともITエンジニアになって、自分のキャリアを磨いていきたいと思ったわけです。

通信関係の仕事を3年間経験した後、25歳の時にB社に転職し、後の上司となる先輩社員Nさん(営業・マネジメント担当)と出会うことになります。先輩はエンジニアではなく、案件を紹介してくれる立場ですから、お互いに話し合い(チームワーク)がしっかりとできたことが、顧客の要望に対する深い理解と解決策の提示へと結び付いてきたと思います。先輩が紹介してくれる案件をしっかりやりきりたい、と思うようになりました。

そうした中、B社の九州撤退と同時に、パートナーからの話がありました。当時、妻とは結婚を約束していましたから、迷うことなく、パートナーで地元福岡での勤務を続けたいと考え、再び転職したのです。

03.印象に残ったプロジェクト

インフラと、ユーザーインターフェイス構築の面白み、両面を経験できた

インフラの面白みと、ユーザーインターフェイス構築の面白み、両面を経験できた

―― 現在、パートナーに入って5年間が経過しました。K.T. さんとして、どのようなプロジェクトが印象に残っていますか。

最初、北九州で鉄鋼業界のプロジェクトに関わり、データベースの業務を担当。この時、データベースの反応速度を大幅に改善することができました。これほどの成果があがったことは、初めてだったので、大きな達成感とITエンジニアとしての自信を得ました。

直近の案件で言うと、誰もが知っているような最大手の飲食店舗の検索・予約サイトの開発チームで予約画面を担当しています。このような予約画面は自分自身だけでなく、家族や友人・知人も数多く利用します。こうした身近な人たちに使ってもらえるシステムを作るのはこれまでとは違った経験で、大きな達成感を味わっています。

これまでのインフラに関わる案件から、今度は身近な人たちに感じてもらえるシステムの開発となったことで、また別の喜びがあり、仕事の幅が大きく広がったように感じました。

―― インフラとユーザーインターフェイスの両面に、ITエンジニアとしてかかわることができたのですね。

通信系の仕事の場合、皆が使っていない夜間に基地局で作業することが多くありました。電波環境が良くなったとしても、「問題なし」で処理されます。つまり、水道や電気・電波などに代表されるインフラ系の仕事は、「ちゃんとあって当たり前」とが前提。もちろん、これは日本社会の強みです。

仕事に対する達成感はあるものの、大きな災害時を除き、ユーザーからの直接的な反響を聞くことは多くありません。しかし、予約画面といった「目に見える」場合、ユーザーからの声もダイレクトに伝わってきます。責任重大ですが、その分、やった感はありますね。システム開発の仕事は実に多様ですが、私としてはこのインフラとユーザーインターフェイスの両面に関われたことで、ITエンジニアとして貴重な経験を積めたと実感しています。

―― ところで、仕事のやり方は、コロナ禍前とどのような違いがありますか。

仕事のやり方に関して言えば、在宅なので傍らに会社の人がいません。そのため、今まで以上にコミュニケーションを積極的に取らないと、仕事がうまく進みません。例えば、何か分からないことがあった時、以前は職場にいる人に直接、かつ気軽に聞けますが、今はチャットなどで「お時間いいですか?」と許可や都合を確認する必要があります。場合によっては別途、会議を設定しなくてはならないなど、非常に手間がかかるようになりました。コミュニケーションの取り方が大きく変化したことは間違いありません。

テレワークの場合、コミュニケーションの問題はフォーマルとインフォーマルの2つに大きく分かれます。まず、フォーマルなコミュニケーションは、IT技術やITツールを使って解決が可能。電話やWEB、テレビ会議、あるいはメールでかなりの部分が対応できます。

問題となるのは、何気ない雑談や相談事に代表されるインフォーマルなコミュニケーションです。この点に関しては、どのようなツールを導入しても解決し切れない部分があります。働く側からすると、インフォーマルなコミュニケーションが不足することによって、不満や不安が引き起こされます。会社の状況がよく分からなくなり、疎外感を覚えるなど、モチベーションが低下する要因となります。

そのため雑談・相談事のできる機会を、意識して作り出すことが求められます。例えば、社内SNSのようなツールを活用して自由に会話できるようにしたり、チャットを多用し、意識して雑談したり、相談機会を設けるなども、一つの方法でしょうか。

―― 一方、何かプラス面はありましたか。

私は現在、結婚して、妻と2歳になる娘と福岡で3人暮らしをしています。緊急事態宣言が発令された2020年4月下旬からテレワークとなりました。その結果、通勤時間がなくなり、一緒にご飯の準備をして食べたり、お風呂に入るなど、家族とのコミュニケーションや子どもの世話をする機会が増えました。あと、寝る時間が早くなりましたね(笑)。テレワークの場合、仕事面での影響はありますが、在宅での勤務は家庭人としての幸せを覚えます。

04.当事者意識を持ったら、大変だけどワクワクする

最近は、仕事への「ワクワク感」
「成長の実感」を覚える

最近は、仕事に対する「ワクワク感」「成長の実感」を覚える

―― 最近、仕事に変化はありますか。

先ほども言いました、今のプロジェクトに参画したことで、私の問題意識や課題認識が大きく変わりました。このプロジェクトで要求されたのは、常に「当事者意識」を持つこと。それ以前の5年間は、鉄鋼業界のシステム開発に携わっていましたが、慣れのようなものが出てきて、大概のことは何となく処理できるようになっていました。

ところが今のプロジェクトでは、そうした姿勢や対応では通用しません。常に、次に想定される事態を考えながら仕事をしないと、タスクが消化できないのです。指示を待っているだけでは、仕事が進みません。

考えるべきことが多過ぎて、自分が何を悩んでいるのかも分からない状態といえばわかりますでしょうか。このような経験は初めてでした。プロジェクトによってこんなにも違うものなのかと、30歳を過ぎて、仕事の深みと面白さを、改めて思い知ることになりました。と同時に、それは仕事に対する「ワクワク感」であり、「成長の実感」でもありました。

実は、これまで携わってきた鉄鋼業界は、考え方も保守的。あまり新しいモノを取り入れようとしない組織風土でした。今のプロジェクトはB to Cで、常にお客様が使いやすいように画面を作り変える必要性に迫られ、アンテナや感度の高さが要求されます。徹底的にお客様のことを考えた上で、「自分はどうしたいのか?」が問われるわけです。

―― まさに、「当事者意識」に他なりませんね。

実際、日々の打ち合わせの中で、「あなたは、どうしたいのですか?」と常に言われます。正直、言葉に詰まったり、戸惑うことも少なくありません。だから、頭をフル回転の状態にしていないと務まりません。打ち合わせに臨む際にも、常に考えに考えた上で行かないと、話をすることさえ許されない状態。ITエンジニアなのに、体育会系クラブで活動している選手みたいな感じです(笑)。

最初の頃は、どう動いたらいいのか、ホントに分かりませんでした。チャットツールの会話を見ても、明らかに今までの現場とはスピード感やレベル感が違います。正直、通常のメールでやり取りをしていては、とても追い付きません。

―― 日進月歩ではなく、まさに秒進分歩の世界ですね。しかし、話をしているK.T. さんの表情を見ていると、とても明るい表情をしていますね(笑)

それは今、仕事の充実感、自分の成長感を覚えているからですね。何より、プロジェクトに関わっている人たちのレベル(土台)の高さを強く感じます。本当に仕事ができる人しかいません。このような経験は、ITエンジニアになって初めてのことです。

より詳しく言うと、それはスキルレベルの高さ以上に、意識レベルの高さ。仕事に対する姿勢、問題意識、スピード感、詳細な納期の設定、そして厳守と、どのような要件に対しても細かく要望をして、その達成を求めます。

―― 「強いチーム」「勝つためのチーム」で戦っている充実感でしょうか。

ただ、要求が高い分、それに対するフォローも万全です。実際、従前のプロジェクトに比べ、対話の数が半端ではありません。さらに、プロジェクトを進めるに際して、週に1回、担当上司との1 on 1形式による「よもやま会」という面談の機会を設け、メンターとして悩みや課題を聴く場を設けてくれています。

この場では命令系統で業務指示が下りてくるだけでなく、働く仲間として、いろいろなことを聴き、共感してくれ、場合によっては適切なアドバイスをしてくれます。こういう関係性があるからこそ、「当事者意識」を強く持って、プロジェクトに当たることができます。

05.後輩の育成で、パートナーを強いチームにしたい!

メンター的な立場から、
若手から「悩みを聴いてあげたい」

メンター的な立場から、若手の人たちに「悩みを聴いてあげたい」

―― 今後、パートナーでのご自身の役割についてどうお考えですか。

この12月から、パートナーの中で若手エンジニアを対象に、1対多形式のグループミーティング、つまり、私なりの「よもやま会」を回していこうと思っています。幸い、私は現在のプロジェクトの中で悩みを聴いてもらっていますから、今度は私がメンター的な立場から、若手の人たちから「悩みを聴く」ことをやっていきたいですね。とにかく良いところはぜひとも真似しようということです。

こうした場で、プロジェクトを通じて成長することの大切さを皆に知ってほしいですね。大変な現場を経験すれば、人は強くなります。そして、次はもっと大変な現場に行っても通用します。人として、エンジニアとしてのレベルは確実に上がりますから。

そうすることによって、強い当事者意識を持ちながら、共に成長していく組織風土が九州支社の中にできてくれば、本当に嬉しいことです。結果的に、どんどん優秀な人が集まってくれれば素晴らしいですね。

―― 社内で対話する機会を定期的に行うことは、とても大事なことですね。

いろいろな仕事を経験し、それを皆で話し合い、共有すること。実際、他の人が経験したプロジェクト情報から、学ぶ点は多々あります。私がこのように思えたのも、プロジェクトでの経験があったたからこそ。パートナーの九州支社に入社できたことを、改めて嬉しく思います。

だからこそ、これからは私なりに得た経験、知見を若い人たちに伝えていきたい。今後のミッションは、後輩エンジニアの育成。九州支社ではまだ未整備なので、人材育成、研修制度の充実をしっかりとしていきたいですね。

その際、技術的なことも大事ですが、それより基本的な仕事への取り組み方・考え方、当事者意識が大事であり、それが、後の自分の成長を大きく左右していく。このことを、しっかりと時間をかけて教えていきたいです。それが、これまで私を育ててくれた数多くの人たちへの恩返しだと思っています。

―― 本日は、本当に良いお話を聞かせていただきました。K.T. さんは大変な経験を楽しんで、成長しているように思いました。今後のご活躍、ますます期待しています。

インタビューを終えて

●Uターンを実現し、「当事者意識」を見事に実践。この経験を後輩に●

K.T.さんは、まさに「Mr.Positive!」。インタビュー中も、笑顔が絶えませんでした。何より、自ら念願であったUターンを実現すると同時に、困難なプロジェクトで学んだ「当事者意識」を、今度は後輩に新たな場を設け伝えていくことのこと。こうした考え・指向を持つ人材は、これからのITエンジニアの育成、職場の活性化には欠かせません。間違いなく今後、パートナーを強く支えていく存在になっていくことでしょう。

福田敦之

福田敦之
人材マネジメント分野を中心に、ライター として取材活動を行いながら、人事・教育関連の主要専門誌やWebサイトへと執筆。他方、ベンチャー企業 に対する人事・教育コンサルティング、人事制度設計・導入、大学等での講師を歴任している。