Engineer & Staff interview - エンジニア&スタッフインタビュー

ITエンジニアとして30年以上の経験を持つ S.K. さん。豊富なキャリアを活かし、今回、エンジニアの採用・育成担当の責任者としての役割を担うことになりました。新たなITエンジニア像を創出するために、今後、パートナーをどのような組織にしていきたいかお聞きました。

管理本部 人材マネジメント部 S.K. さん 管理本部 人材マネジメント部 S.K. さん管理本部 人材マネジメント部 S.K. さん

1967年生まれ。山形県酒田市出身。情報処理の専門学校を卒業後、ITエンジニアとして3つの会社で都合16年間、情報システムに携わる。2004年、株式会社パートナーに入社。以降、大手企業向けのシステム開発などビッグプロジェクトに長年携わる一方、各種プロジェクトリーダーとして活躍。4月からはパートナーの新体制の方針であるエンジニアのキャリア推進のミッションのオファーを受けて内勤に転じ、採用・育成からキャリア相談などを担当。

01.入社までの経緯

当初から、
ゲーム感覚的な思考、
システム思考が強かった

当初から、ゲーム感覚的な思考、システム思考が強かった

―― S.K. さんは、どのような学生だったのですか?

もともとゲームが好きでしたが、ある時、学習塾でパソコンに触れる機会がありました。大手電機メーカー出身の先生の影響でパソコンに興味を覚え、高校生になってアルバイトをしてパソコンを購入しました。パソコンへの熱はさらに高まり、1986年に上京して情報処理科の専門学校に進学。ここで2年間、システム思考をはじめ、言語知識、プログラミングを学びました。

システムで人ができないことをやる。それが面白かったのです。今年から、小学生に対してプログラミングの必須授業が始まりますが、ますますそうしたシステム対応力が求められていくと思います。

―― エンジニアとしてのキャリアをどうつくってきたのですか。

就職時は、企業の求人意欲が非常に旺盛でした。システムに関わる仕事をしたいと考え、技術者派遣の大手企業に決めました。システム開発部に所属し、3年目にはプロジェクトリーダーを担当し、IT関連でもいろいろな分野に関心を持つようになりました。

そうした中、ITベンチャーが新しくシステム部門を立ち上げるメンバーとして誘われて転職しました。4年間、パッケージ開発と業務アプリの開発に没頭し、さらに大手製造メーカー向けのWeb業務システム開発をする会社に転職しました。

エンジニアが増え、その中で各チームが組織としてしっかりと対応可能な状態となっていき、安定した仕事ができるようになっても、自身としてはITエンジニアとして、もっと上流工程に行ってみたい思いが強くありました。9年間を充実して過ごし、気づけば既に36歳になっていました。新しい「領域」を増やしていきたい、それが必ずや自分の「強み」になるとの気持ちは変わらずあり、次のチャレンジとして3度目の転職をすることにしました。

02.考えて動く重要性

やりたいという
強い熱意を持って
入ってきた人たちの集団

やりたいという強い熱意を持って入ってきた人たちの集団

―― なぜ、パートナーへの入社を決めたのですか。

いくつかの企業の面接も受けた中で、このパートナーという会社と出会いました。大規模設計の案件(大手企業向け料金システム開発)がスタートするという話を聞き、最初から参画できることに強く惹かれたのを覚えています。入社してプロジェクトに参加してからも、やりたいという強い「熱意」を持って入ってきた仲間に囲まれて仕事することに、エンジニアとしてのやりがいを実感しました。

このプロジェクトには入社してから12年間関わりました。4年後にリリースしてからも、その後、いろいろなサービスを追加する都度、プロジェクトに参加しました。お客様との折衝にも関わり、トップダウンの案件にもスピーディに対応するなど、それまで関わってきた仕事以上に自分の「領域」を拡げ、成長させてもらいました。

その後も、自分がやったことのない分野に挑戦したいと考え、航空管制などのシステム開発に携わりました。最初は戸惑うことがあっても、技術の基本でそれなりに対応できるし、現場で考えて何とかしていく。私は、そうしたチャレンジ精神や好奇心が、プロジェクトに関わるITエンジニアにはとても大事な要件だと思っています。

―― 考えて動くことは、大事ですね。

考えるだけでなく実際に行動することで、思いがけない偶然が重なり、何らかの結果が出ます。それはキャリアに関しても同じ。当初、自分が思っていたこととは違ったキャリアを得ることができ、それがまた新しい成長へとつながったりします。相手がそうした機会やチャンスを与えてくれることもありますし、自分が相手に影響を与えることがあるなど、仕事には「相互作用」があると言えます。

そうした相互の積み重ねが、それぞれのエンジニアとしての成長を加速してくれるのではないでしょうか。自分も、一人で育ってきたわけではありませんし、仲間やお客様がいるからこそ、大きく伸びると実感しているからです。このプロセスはパートナーが目指している「チーム体制化」につながるように思います。

03.ITエンジニアとしてのキャリア実現とは

長期的な視野で
目標、計画を立てる

パートナーにおけるITエンジニアのスキルアップ

―― エンジニアであり、採用・教育の担当である立場から、キャリア実現には何が必要だと?

まずは過去、現在、将来の自身のキャリアに関して、長期的な視野で考えること。技術革新が激しいIT分野では、技術の陳腐化リスクもあり、何か一つの技術が長期に渡って常にキャリアアップに役立つかどうか見極めるのは困難とも言えます。

大切なのは、将来、どのようになりたいかという具体的な目標を持ち、実現のための計画を立てること、そして常に環境変化に対応し、自己研鑽すること。ITエンジニアには、チャレンジしながら自分のキャリアを創っていくという、トライ&エラーが不可欠です。

ただ、誰しも自分自身のスキル計画については曖昧になりがちです。綿密に計画できるよう、上長、リーダー、先輩などに相談に乗ってもらうことをお勧めします。

私自身も若手の頃は四苦八苦の連続でした。大規模プロジェクトでは、大勢のお客様を目の前にし、震えながらプレゼンしたのは今でも覚えています。ただ、苦労はしても目的に向かっていると実感でき、成功と失敗を繰り返しながら、先輩に相談に乗ってもらったりして次のステップにつなげてきたように思います。

04.エンジニアと会社をつなぐために

新たに「HUB」としての
期待を担う

新たに、「HUB」としての期待を担うことに

―― エンジニアの S.K. さんが内勤になったのは、なぜですか。

社内においてエンジニアと内勤は同じ言葉を交わしてはいますが、エンジニアが発する言語体系と、営業や内勤の人たちが理解しやすい言語体系は実は異なっていると感じます。内勤が日本語で話しているのに対し、エンジニアはJAVA言語で話しているようなものと言えばわかりやすいかもしれません。

つまり、お互い会話はしているのに、通じていない部分がある。それを感じ取って、「会社が話しているのは、そういうことではないよ」と、内容を正しくエンジニアに伝えたり、逆にエンジニアの思いを、組織として理解できるように翻訳する必要性があります。

『新体制でエンジニアファースト、従業員ファーストを掲げる中、キャリアアップを推進するためにITエンジニアとして経験が豊富なあなたに、そういう「HUB」の役割を担ってほしい』と言われたのがこの春です。

エンジニアとしては、現場で仕事することの楽しさは捨てがたいですが、経営の変革に対する強い思いを感じました。私自身が「HUB」となる役割の重要性を強く感じていたので、「人と組織の成長に役立とう」と決心し、自分自身の新たなチャレンジとして引き受けることにしました。

05.これから、パートナーをどうする?

ITエンジニア版
タレントマネジメントを

ITエンジニア版タレントマネジメントを目指す

―― ITエンジニア出身だからこそ、今、感じることは何ですか。

技術革新のスピードが速まっている中、変化し、成長していかなくてはならない意識を強く持っているエンジニアは多くいます。エンジニア同士でも相互に変化・成長をサポートしていく前向きの行動を、会社全体の中で意識的に増やしていきたいと考えています。

当社では教育に関して、エンジニアスキル、ビジネススキルを向上させるために、セミナーやeラーニングの利用できる機会を提供しています。ある程度業務をこなせて、自分自身の既存スキルに満足すると、チェンジや応用を考えない人も多いと感じます。永く働く時代、こういった人たちも自己成長できるように、機会と場を提供するだけでなく研鑽を促す必要があります。

何ができて、何を経験していくのかをデザインし、持続的に成長可能なようにタレントマネジメントすることは、エンジニアとしての市場価値を高めるうえでとても大切だからです。私は、現場で働いているエンジニアを訪問してスキルアップ、業務上の相談を受けたりしていますが、その際に聞いたリアルなエンジニアの声を事業にフィードバックすることも心がけています。

―― 最後に、これから仲間になるエンジニアに伝えたいメッセージは何ですか。

三つあります。
一つは、エンジニアライフを充実して、楽しんでほしいし、自分自身も、そうありたいと思っています。ただ、そのためには努力が必要。その先にこそ楽しさと得られるものがあるはずです。得られるのは賃金という報酬であったり、知識やスキルという成長かもしれません。努力すれば、それらは必ず得ることができるし、エンジニアライフがより楽しくなると考えています。

二つ目は、自分だけでなくチームとしての向上を考えること。常に相互作用を意識し、情報を提供し合い、共に向上していくことです。個人としては、チーム成果に貢献できる力を蓄えつつ、出し惜しみせず能力を出し切って貢献することが大切です。

そして三つ目は、人とのコミュニケーションを大切にすること。報連相をしっかりと行うこと、連携力と言ってもいいでしょう。一人の社会人として、組織やチーム内で協力する力をしっかりと磨いてほしいと思います。

インタビュー風景

インタビュアー:人材マネジメント・ライター 福田敦之

インタビューを終えて

●ITエンジニアの組織には、HUBの存在が不可欠●

人と組織(経営)が思いを同じくし、期待する成果を上げるには、そのための仕掛けが大切です。今回 S.K. さんと話して、人と組織(経営)を繋ぐ、HUBとしての役割が欠かせないことを強く実感しました。エンジニアの言葉、経営の言葉の両方を使える、現場経験が豊富な「バイリンガル」な人は、その役割を担うのに適任だと思います。株式会社パートナーのエンジニアがますます生き生きと働いてキャリアアップしていくためのカギを握っていると感じました。

福田敦之
人材マネジメント分野を中心に、ライター として取材活動を行いながら、人事・教育関連の主要専門誌やWebサイトへと執筆。他方、ベンチャー企業 に対する人事・教育コンサルティング、人事制度設計・導入、大学等での講師を歴任している。